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サンドリアン・デスワームと砂漠の亡霊
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五行餅つき侍さんからの投稿
不定形の触手のようなか細い手足をうねらせUFOにバチギレする少女もとてもかわいらしく、なんかこう…ワイヤー可動式のフィギュアとか欲しいですね…。
少女の髪にデスワーム様みを感じたであろうおじさんの異様な出立ちと、外見に反して理性的な行動が微笑ましく、すぐに好きになってしまいました。
医務室の巨大な針や六席の椅子と座布団、壁に貼られたデスワーム様の絵などから、デスワーム様はヒャッハーくんたちにとても大切にされていたし、主従よりも保護者と子供達、もしくは仲間に近かったのだろうかと思います。
元ネタはモンゴリアンデスワームで、砂=サンドでサンドリアンなのかな、とも思いましたが、フランス語の「サンドリヨン(シンデレラ)」も連想させ、そう考えるとなんだかデスワーム様がおとぎ話のお姫様と小人たち(小人は白雪姫ですが)にも見えました。
かわいいですね。
おじさんと少女のやりとりもほっこりしました。
ひとりで宇宙を旅する少女とひとりで砂漠を掘り続けるおじさんがともに過ごした時間は短くも得難いもので、だからこそ少女はおじさんに一緒に行くことを提案したんだと感じました。
少女からデスワーム様がもういないことをあっさり告げられたおじさんの表情は、安堵だったのかなと思いました。
かつてのまばゆい光に照らされる昼ではあらねども、長い夜が終わり、寂しくともささやかな朝が来た。だからおじさんは、亡霊は居なくなったのではないでしょうか。
亡霊の消えた砂漠に静かに風が吹いている。悠久を感じさせる地平に、これまでと同じように、何も変わらず太陽は沈んでいく。寂寥感を伴った感慨が込み上げてきて、読みながら泣いてしまいました。
最後まで根本的におじさんを理解出来なかった宇宙人の少女の無邪気さが少し寂しいような、少し救われるような、そんな余韻のある終わりでした。
次回作も楽しみにしております。
魚介類人猿先生の「サンドリアン・デスワームと砂漠の亡霊」拝読しました。
扉絵の躍動感溢れるヒャッハーくんたちの黄金期が次の見開きで終わりを迎える容赦の無いスピード感、諸行無常さが先生らしいと感じました。
日没とともに砂漠に落とされるデスワーム様の情景が印象的で、彼らの輝かしい暮らしがそこで絶え、暗い夜がやってくるのだとひしひしと感じました。