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インタビュー2022.12.30

「僕たちはいつだって死を忘れさせてくれる美しい情景を探しているんだ」夜野ムクロジ先生特別インタビュー

早速ですが簡単な自己紹介からお願いします。
(ムクロジ)2016年にモーニングゼロで奨励賞をいただきその後いくつか新人賞を受賞しましたが連載には繋がらず、2022年は青林工藝舎『アックス』で林静一個人賞をいただいた後に『ボヘミア』で連載を始めました。
夜野ムクロジ プロフィール

幼少期から漫画家を目指しマンガを描いてきたが一時期、精神病になったためにマンガを描くのを中断する。
そして
2015年ごろから漫画制作を再開した。
2016年に講談社のモーニングゼロ新人マンガ賞にて奨励賞を受賞。
2020 年に太田出版のエロティックマンガ賞にて大賞を受賞。
2022年に青林工藝舎のアックスにて林静一個人賞を受賞。
現在に至る。
・ツイッター:https://twitter.com/xxx_gyaaaaaAA

『ボヘミア』で執筆していただいている『僕たちはいつだって死を忘れさせてくれる美しい情景を探しているんだ』の執筆の経緯などを教えていただけますか。
(ムクロジ)最初に『僕たちはいつだって〜』のタイトルの言葉と女の子が海で笑っている情景が思い浮かんで、これを漫画にできないかなと思い描いてみたらあのような漫画ができました。メメというキャラをケダモノにしたのは普通に美しい女の子が海で笑っていても面白くない気がしたので、ちょっと変な女の子がふと見せる美しい情景というのを表現したくてケダモノのような性格のキャラクターにしました。
長いタイトルですが先生の中で略称などはありますか。
(ムクロジ)略称は普通に『僕達はいつだって』でいいかなと思っていますね。
作品について話す時は『僕たちはいつだって』という感じで話せばいいですかね。
(ムクロジ)そうですね。タイトルが長いので。
自身の創作活動についてお話を聞かせていただけますか。
(ムクロジ)私はとにかく色々作りたがる人間なので色々と手を出して作っている感じです。基本的には他人の音楽とかゲーム実況とかラジオ、ホームページとか他人のそういった作品を見たり聞いたりして自分も作りたくなって作ったりしているわけですね。自分はあらゆる表現形態の中で音楽が一番好きかもと思うんですけど、音楽より漫画を描くことのほうが得意なようなので今は漫画を主に作っていますね。でも漫画以外の表現も続けていきたいと思っています。

夜野ムクロジ先生のYouTubeチャンネル「よるのちゃんねる」はこちら

ムクロジ先生は人前で歌ったりするんですか。
(ムクロジ)人前で歌ったりすることは全然ないですね。
歌ってみたいなと思うことはないですか。
(ムクロジ)以前、知り合いのミュージシャンに歌ってみませんかと誘われたことはあるんですけど人前は緊張しすぎて駄目なんです。やったことないですね。
不可思議/wonderboyの「世界征服やめた」のカバーも良かったですね。

「世界征服やめた」カバー(不可思議/wonderboy)byムクロジはこちら

(ムクロジ)私もラップというか暗い感じのラップが好きなんですよね。ポエトリーも好きだし、ザ・HIPHOPというような感じの音楽も好きだし。
不思議な出来事やご自身の体験で印象に残っていることありますか。
(ムクロジ)あんまりオカルトっぽい体験はないので日常の不思議な出来事について話します。私が小学生だった頃、クラスメイトの男子が給食の時にカレーと牛乳を一緒に口に入れるとイチゴ牛乳の味がすると言っていて、その時の給食がちょうどカレーだったので私も試しにカレーと牛乳を一緒に口に入れたら本当にイチゴ牛乳の味がしてびっくりしたんです。でも数日後に家でカレーと牛乳を一緒に食べたら別にイチゴ牛乳の味はしなかったんです。それで思ったのが思い込みで味覚は変わるんだなということです。多分味覚だけでなく視覚や聴覚も思い込みで変えられると思うのですが、そうなると確かな現実なんて存在しないんだなと思ってそれが面白かったです。
『ボヘミア』について思うことはありますか。
(ムクロジ)『ボヘミア』はどの作家も自分の美学を大切にしている感じがすごく伝わってくるので良い雑誌だと思います。特に好きな作家さんは田中童夏さんです。

田中童夏・作『死とキャンディ』

(ムクロジ)童夏さんの作品は数年前から好きでファンだったので、童夏さんがこういった原稿料のきちんともらえる雑誌に採用されたのが嬉しいです。童夏さんの仄暗い懐かしさのある作品を見るとすごい安心してそこが好きです。『死とキャンディ』もダークだったり暗かったりするけど、不思議な安心感というか懐かしさがあるので読んでいてホッとするんです。自分はもともと『電脳マヴォ』に作品を載せてもらっていたのですが、その『電脳マヴォ』にも載っていた川勝きりんさんや崇山祟さんが『ボヘミア』に採用されていたのが個人的に嬉しかったです。
夜野ムクロジ先生、本日はどうもありがとうございます!
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